日本で就職したいけど、日本への留学経験がなく、就職活動をうまく進められるか不安がある... そんな方に向けて、日本に留学せずに日本就職に成功した学生からアドバイスを聞く"User Interview"。
今回は、弊社サービス「Connect Job」を活用し、内定を獲得したHwangさんに、「日本で就職活動をしようと思った理由」「日本と韓国の就職活動の違い」などについて伺いました。
①韓国の就職活動は競争が激しいので、日本と韓国で就職活動を並行して進めた
Connect Job: 本日はインタビューを受けてくださりありがとうございます!まずは自己紹介をお願いできますか?
Hwang Sundoと申します。韓国の大学を卒業しました。
23年度新入社員として大手総合電機メーカーの鉄道部門に配属され、現在は鉄道車両を作る設計を担当しています。
本日はよろしくお願いいたします。
Connect Job: よろしくお願いいたします。さっそくですが、Hwangさんはなぜ日本に就職しようと思ったんでしょうか?
韓国では皆同じ感覚じゃないかなと思っているのですが、韓国で就活をしようとすると、競争が激しく、かなり厳しいんです。
私の場合、自分のキャパシティの中で1番ハイクラスの会社に入りたい気持ちがありました。
それを実現するために、自分なりに考えた結果、韓国と日本の両方で就活することにしました。
やはり韓国では、いわゆる「大手企業」に入るのがちょっと難しくて。
それで日本就活にも挑戦してみようと思いました。
その結果、日本の大手総合電機メーカーから内定をもらうことができました。
Connect Job: 日本での就職活動と韓国での就職活動、両方進められていたんですね。具体的に日本での就職活動と韓国の就職活動、それぞれいつ頃から始められましたか?
日本の就活は大学3年生から始まりますが、韓国の就活は、 卒業後や早くても4年生の後半、冬から始まります。
自分の場合は、3年生の1月から、先に日本就活を始めました。
就活を始めたときは、日本で大手企業の内定を取れなければ、韓国で就職しようと思っていました。
結果的に、大学4年生の4月に内定をいただけたので、そこで就活を終えました。
Connect Job: 日本では何社に応募されましたか?
応募したのは、50社ぐらいでした。
日本の就活ナビサイトなどを使って企業を探していました。
日本で就活を始めた時に、韓国のウェブサイトを経由して企業を探しても、あまり募集がないという情報を知りました。
そのため、日本人が使用するナビサイトも利用していました。
②グローバルという軸で戦略的に就職活動を進めた
Connect Job: 就活軸(何を軸に就職活動を進めていたか)を2つお伺いしてもいいですか。
大事にしていた軸は、「グローバルな成長」と、「自分の専攻との合致」です。
自分は外国人なので、とにかくグローバル的な観点でアピールしなきゃいけないという気持ちがありました。
また、大手企業に絞って応募していたので、日本の大手企業はグローバル事業を展開しているイメージもあり、「グローバル」という軸を持っていました。
そして自分の機械工学という専攻を活かせる企業を受けていました。
③面接を受けながら改善点を見つけ、次に活かす
Connect Job: 就活に向けて対策や準備はどのようにしていましたか?
エントリーシート作成方法などは、ネットで調べていました。
約50社に応募したので、毎日面接があるようなスケジュールでした。
対策してから受けるというよりは、面接を受け、フィードバックをもらい、少しずつ修正しながら次の面接に活かしていました。
Connect Job: 1番最初の情報収集の段階としては、ウェブで 検索してやり方を探して、そこから自分で実践を通じて、コツを掴んでいったということですか?
そうですね。
Googleで検索すると、YouTubeやブログなど色々出てくるじゃないですか。
面接対策の動画や対策記事を見ると、ある程度平均的な内容がわかるので、それをベースとしてエントリーシートや面接の準備をしました。
YouTubeは日本の動画だったので、日本語の勉強もできました。
普段、敬語を使って話す機会や面接用の日本語を学ぶ機会がないので、とても役立ちました。
Connect Job: 実際に周りの人にエントリーシートの添削や面接練習をお願いしましたか?
いいえ、基本的に1人で準備を進めていました。
韓国就活であれば同じ企業を受ける人も多いので、周りの人と協力して進めると思いますが、日本就活は一人で進めることが多かったので、準備も一人でやっていました。
とにかく、受験して、企業からのフィードバックを活かして改善していきました。
④日本のポテンシャル採用に苦戦。ジョブ型採用の企業と出会い内定をもらえた
Connect Job: 日本の企業から内定を獲得するにあたって、選考で 苦労したことはありますか?
最初に感じた壁は、エントリーする段階(書類選考)です。
例えば、内定した企業は韓国のサイトで韓国人向けにも募集もしていたんですが、これは競争相手が韓国人で、書類の段階で落ちてしまいました。
でも日本のナビサイトから申し込んだ同じ企業の募集では、最終的に内定をもらうことができました。
これは日本の就活というよりは、韓国の競争率の厳しさですが、日本での就職活動にも影響していました。
Connect Job: 日本での就活は、韓国での就活と比べ大変なこともあったと思います。どのような点で日本と韓国の就職活動が違うと感じましたか?
私は技術職のポジションでの選考でしたが、面接での質問が結構違うと感じました。
日本では、基本的にその人がどんな人かを知るために質問する感覚ですが、韓国では、何ができるか、どんな技術を持っているか、何を知っているか、みたいな質問が結構多かった気がします。
Connect Job: 韓国はポジション採用の傾向が強く、日本ではポテンシャル採用の傾向が強いということですね。
そうですね。
良い意味でのギャップとしては、もっと身構えた緊張した雰囲気の面接を想像していましたが、私が経験した面接では、どの企業の方も笑顔で話してくれたので、日本の面接は少し柔らかい雰囲気かなと思います。
Connect Job: 韓国のサイト経由と、日本のサイト経由で応募した企業の話がありましたが、提出した書類の種類や内容は違いましたか?
内容はあまり違いませんでした。
韓国の書類選考の内容をベースに、日本語に翻訳して調整していきました。
違う質問が2~3個あったので、そこは質問に合わせて回答を準備しました。
そもそもの就活の流れとして、書類選考の準備をするという点では、日本も韓国もあまり変わらないと思います。
Connect Job: 韓国での感覚を活かしながら、日本でも就活したという感覚ですか?
はい。
自分が内定をもらった企業は、総合職採用ではなく、ジョブ型採用(ポジション別採用)でした。
韓国も職種に合わせて自分が応募するのが一般的なので、内定先企業については韓国と同じ感覚で就活ができました。
その点ではアピールすべきポイントが合致していて、選考に通過しやすかったのだと思います。
他の企業の書類選考でも割と技術的なスキルをエントリーシートに書いていましたが、日本の企業の多くは自分のポテンシャルをアピールすることを求めるので、そのミスマッチから、結構落ちたのかもしれないです。
Connect Job: なるほど。総合職を求めている企業とは、マッチ度があまり良くなかったということですかね?
今考えてみたら、そういう感覚ですね。
Connect Job: ご自身の理系というバックグラウンドと経験を活かしながら働くと考えると、 今回のようなジョブ型採用だとよりキャリアを考えやすそうですね。
そうですね。 韓国人としては、ジョブ型雇用の企業の方が、入りやすいかもしれないです。
みんな就職のために、学生時代から研究をしたり、色々な活動をしていると思うので、特に理系専攻の人にとっては、ジョブ採用での就活は進めやすいと思います。
⑤就職活動のために日本語を勉強
Connect Job: 日本の就職活動の中で、他に難しかったことはありましたか?
やっぱり日本語ですね。
基本的に面接は日本語でいました。
ある程度独学で日本語を勉強していたのでちょっと自信持って、最初の面接を受けたのですが、実際に受けてみると面接では全然何を言ってるのかわからなくて。 それで、面接しながら、コツを身につけていきました。
面接官が言う日本語はある程度決まっていたので、どんどん面接しながら、慣れて、見つけて、そういう意味なのか、みたいなことを、学んでやっていた感じですね。
Connect Job: とても日本語がお上手ですが、日本語の勉強を始めたきっかけは何だったんですか?
いつか日本で働くということを考えて、勉強し始めました。
自分が成人を迎えたころ、韓国は既に就活が難しい状況で、逆に日本は就活しやすいよ、みたいな感じだったので。 韓国が難しいんだったら、日本で就職するのがいいんじゃないかなと思っていたんですよね。 映画やドラマを通じて日本にも少し興味があったので、日本語に対しては少し慣れていました。 今でも書くのは難しいんですが。
就職活動の直前では、本当に、面接用の日本語っていうのかな。
就活のために日本語を勉強しました。
Connect Job: 素晴らしいと思います!目的を持って達成すること、就職活動をするだけでも難しいことなのに、それと同時並行で言語も習得してしまうところに、粘り強さを感じます。
就活しながら、例えばエントリーシート作成しながらでも日本語勉強ができるし、
YouTubeを見れば、日本語を聞くのも慣れるし、字幕機能を活用すれば発音の勉強もできます。
こうして日本語を勉強していました。
⑥選り好みせず、中小企業もたくさん受ける
Connect Job: 逆に、日本の就職活動で、こういうところはいいなって感じた部分とか、魅力に感じた部分はありましたか?
書類選考から、合格率がちょっと高いのを感じていました。
少なくとも面接はしてくれるという感覚でした。
韓国って、面接すらちょっと難しい感じだったので、書類選考の段階でみんな落ちちゃって。 でも日本では面接の機会があって、色々練習もできて、落ちた時にもフィードバックをメールしてくれる企業もあったので、助かりました。 そういうところはいいところだと思います。
Connect Job: そうなんですね。ちなみに、フィードバックをくれた会社っていうのは、結構大手企業だったんですか。
残念ながら、大手企業はあんまりフィードバックしてくれませんでした。
中小企業はフィードバックしてくれるところもありました。 なので、大手企業だけ絞ってエントリーするよりは、色々やってみるのがいいかなと思います。
Connect Job: 大体、受けた50社のうち、大手企業とそれ以外の企業の割合で言うと、どのくらいでしたか。
半分半分ぐらいです。
Connect Job: そのうち、面接まで行った企業と、内定が出た企業の数はどれくらいですか?
1次面接は、ほとんどの企業にやってもらいました。
最終面接までいったのが、4社~5社ぐらい。
最終的に内定をもらったのは3社で、就職予定の企業のほかに、大手農機系メーカーと、大手電子部品メーカーでした。
Connect Job: 実際に就職活動を通じて、日本企業のイメージ だったり、印象っていうのは、何か変わりましたか?
基本的に、面接ではあまりプレッシャーを感じませんでした。
面接官の方はみんな笑顔でやってくれて、
あ、いいなと、気楽に面接できたのが、良かったかなと思います。
⑦自分のスキルが最も活かせる企業を選んだ
Connect Job: 3社から内定をもらったとのことでしたが、就職先の決め手は何でしたか?
就職先企業は、1番早めに内定もらった企業でした。
次に、知名度や規模が大きい企業だったこと。
そして最後に、自分の専攻を活かして仕事ができるということです。
自分は設計者になりたいという気持ちがあるので、ものづくりの分野で設計ができて、自分が持っているの強みを活かして仕事ができることは、大きな決め手になりました。
Connect Job: 自分のスキルが活かせるっていうところは、非常に大きかったんですね。
そうですね。 基本的に日本の企業って、総合職採用する時、技術職の総合職として採用してて、実際に自分がそこに入った時、何をするかわからないと感じていました。
でも就職を決めた企業は、職種や業務内容まで、ちゃんと決めることができました。
自分でやりたい仕事を選択できるのが魅力的でした。
また万が一、自分が決めた職種が、自分と合わない時も、他の職種に移ることができる環境でもあったので。
Connect Job: ジョブローテーションやオープンポジション制度ですね。同じ会社の中の違う職種だったり、違うポジションに移ることもできまるのは魅力ですね。
はい。 グループ会社でも色々な職種があって、こういう仕事やりたいっていうのに手を挙げると、その仕事ができるというシステムもあるということを、面接の時に言われました。
Connect Job: やっぱり海外から来るからこそ、自分が何ができるのか見るのも大事ですし、合わなかった時のプランBがあるというのは心強いですね。
そうですね。
そういった点でも、技術職で日本の企業に入りたい韓国人は、多分そういう風にジョブマッチングをする企業は入りやすいかなとは思います。
Connect Job: 他にジョブ型で採用している企業は受けましたか?
自分が受けたのはこの企業だけだったんですけど、ちょっと検索してみたら、例えばIT業界なんかは結構ジョブ型で採用してるという情報がありました。
Connect Job: Hwangさんからすると、ITの領域でもジョブ型雇用の方が人気は高そうだなという印象ですか?
そうですね。
最近、日本の企業もちょっと変化しようという動きがありますよね。
だから今までの総合職採用ではなくて、専門的なジョブ型採用をしようという企業が増えるんじゃないかと思います。
⑧せっかく日本に行くのなら、安定した生活ができるよう、大企業に就職したかった
Connect Job: 就職活動中、企業には言えないけれど、心の中に秘めていた優先順位みたいなものがもしあれば、 お伺いしたいです。
自分はできるだけ知名度がある企業、大企業に就職するということを重視していました。
年収や福利厚生は、日本の、ある程度の大きな企業だったら、それなりに整っているんじゃないかなと思って、 就活をする時はあまり気にしていませんでした。
外国人として日本に行くことになるので、リスクも考えて、なるべく安定した生活ができるよう、大企業に就職したいと思っていました。
Connect Job: 今後のキャリアで、3年後とか5年後とかに、どんな仕事をしていたいですか?
最初は研修員のような感じで、実際に仕事をやるというよりは色々学ぶ段階です。
新入社員研修を3ヶ月ぐらいやって、そのあと本配属されて、その後2年間、またその部署で研修があります。なので、入社してからすぐ、早めに活躍できる環境ではないです。
実際に1人前に仕事ができるのは、3年目からじゃないかと。 普通の日本の製造業はそういう形かなと思います。
逆に韓国だったら、入社してからすぐ1人前にならなきゃいけないですけど。
そこで一人前になったあとは、自分が今までやってた専攻と、実際に会社でやっていることと、結構合致するところがあるので、 できれば今の職種で働き続けて、どんどん課長や部長になっていきたい気持ちがありますね。 同じ場所で、活躍できるといいかなと思います。
だからあんまり、転職とかはしないんじゃないかな。かなり満足しているので。
Connect Job: ありがとうございます。最後に、これから日本就職を目指される後輩へ一言お願いします。
韓国人は完璧に準備しようとする人が多いと思いますが、日本の就活では、どんな企業でもひとまずエントリーしてみてほしいです。
日本の企業は、こういうチャレンジをする人を好むという感覚があって、こうすることで面接もうまくいくと思います。