エンジニア採用が難しい本当の理由。どうすれば優秀なエンジニアを採用できるか?

2016年に経済産業省が発表した 「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、少子高齢化による人口減少により、2030年に日本のエンジニア人口は最大で約79万人不足すると考えられています。
そのため、エンジニア採用が年々難しくなっていると感じている企業様もいるのではないでしょうか。

エンジニア採用が難しい理由は、外部要因と内部要因に分けて考えるべきです。
その上で採用方法を「外部要因にいかに適応できるか」と「内部要因をいかに改善できるか」という視点で考え直すことがとても大切です。

一方、海外に目を向けるとエンジニア採用の選択肢はぐっと広がります。
エンジニア採用に苦戦している企業は、本記事の内容を参考に優秀なエンジニアを採用するために、どのような方法を取ればよいのか検討いただけますと幸いです。

1. エンジニア採用が難しい7つの理由

エンジニア採用が難しい理由は、「外部要因4つ」と「内部要因3つ」に分けて考えられます。エンジニア採用を成功させるためには、どうしてエンジニア採用が難しいのかをきちんと理解しておくことが重要です。では、一つひとつ理由を見ていきましょう。

「外部要因」によりエンジニア採用が難しい

ここでは、外部要因によりエンジニア採用が難しい理由を4つ順番に解説していきます。
外部要因を変化させることはできません。
ですが、エンジニア採用の現状を理解しておくことで適応の仕方を考えることはできるので、ぜひ内容を参考にしてください。

1.有効求人倍率止まりによる獲得競争の激化

東京ハローワークの『令和4年10月分 職業別有効求人・求職状況(一般常用)』(※)によると、IT技術関連の求人倍率(東京)は「2.99」となっています。これは、有効求人数19,488件を有効求職者数6,522人で割ったものです。


※出典:【東京】職種別有効求人・求職状況 | 東京ハローワーク


全職業の求人倍率(東京)が、「1.41」であることを考えると、エンジニアやプログラマに代表されるIT技術関連の職業の求人倍率が高い水準にあることがわかります。そのため、エンジニアの獲得競争は激化しています。

2.フリーランス・副業など、働き方の多様化

日本政府の働き方改革の推進やコロナ禍によるリモートワークの普及により、エンジニアの働き方は多様化しています。


実力のあるエンジニアは「フリーランス」として活躍することで企業に勤めるよりも高い報酬を得ている人も少なくありません。また、「副業OK」の企業が増えたことに加えて、リモートワークの普及によって、企業で働きながら副業で稼ぐエンジニアも増えています。


このようなエンジニアの働き方の多様化により、転職市場になかなかエンジニアが流れてこない現状があります。

3.採用方法の複雑化

これまで転職活動の中心は「求人メディア(雑誌・Web等)」と「人材紹介」でした。ところが最近になって、採用方法は多様化しています。具体的には以下のような採用方法が注目されています。


  • ダイレクトリクルーティング:企業から求職者へ直接アプローチ

  • 採用広報:SNSやオウンドメディアを通じて求職者を募る

  • リファラル採用:社員の友人・知人を紹介してもらう


採用方法の多様化により、人事の採用戦略は複雑性を増していて、エンジニア採用の難易度も高くなっています。


詳しい採用手法、イベント型やインターンシップを活用した採用などについては、「エンジニア採用における採用手法には何がある?」にごさいますので、ぜひご覧ください。

4.エンジニア人材市場の流動性の低下

自社のエンジニアを囲い込むために条件・待遇の工夫・改善を行う企業の数は増えています。
これによって、エンジニアが転職する動機が弱まっており、エンジニア人材市場の流動性が低下しています。
したがって、エンジニア人材を新しく見つけることが困難になっています。

「内部要因」によりエンジニア採用が難しい

ここでは内部要因によりエンジニア採用が難しい理由を3つ順番に解説していきます。外部要因と違って、内部要因は企業努力により変化させることが可能です。そのため、どのような内部要因がエンジニア採用を難しくしているか正しい認識が求められます。

5.企業が求めるエンジニア像が不明確

エンジニアを雇う必要性は感じているものの、どのようなエンジニアを採用したいのか解像度が低いまま求人を出している企業は少なくありません。すると、採用後にミスマッチが生じてしまう危険性が大きくなります。また、複雑化する採用方法において一貫性が欠如していると、エンジニアに対する訴求力が低下してしまいます。

6.企業が提示する条件・待遇が適切でない

昨今におけるエンジニア採用の難しさを正しく認識していない企業は数多くあります。その結果、提示する条件・待遇がエンジニアの期待する水準とかけ離れてしまい、競合他社とのエンジニア人材の獲得競争に負けてしまうこともしばしばあります。

7.スキルの見極めができる社内人材の不在

エンジニアのスキルを見極める社内人材が不在であることも、エンジニア採用を成功させることを難しくしています。エンジニアのスキルは非常にバラツキがあり、どのような開発環境や開発言語、ツール群を経験しているのか、具体的に引き出せないといけません。さもなくば、採用後にミスマッチが生じる可能性が高くなります。

2. エンジニア採用を成功させる9つの方法

ここでは、エンジニア採用を成功させる9つの方法を紹介します。
エンジニア採用の成功には、前章で述べた「エンジニア採用が難しい理由」をきちんと理解した上で対策を考えなくてはなりません。
これから述べる内容は、決して実践することが簡単ではありませんが、試してみる価値はあります。

1.求めるエンジニア像を明確にする

前章で「企業が求めるエンジニア像が不明確」であることを指摘しました。そのため、求めるエンジニア像を明確にすることから始めなくてはいけません。具体的に、どのようなスキルを持ったエンジニアを採用したいのか。社内のエンジニアなどに相談しながら、きちんとそれを言語化して共通の理解を得ていくことが肝要です。

2.候補者一人ひとりのニーズを尊重する

よくありがちな失敗例として、エンジニア採用を画一的に行って、一人ひとりの候補者のニーズを軽視してしまうことがあります。
エンジニア採用を成功させたいなら、一人ひとりの候補者と対話しながらニーズを引き出し、個別対応する真摯さが重要になります。

3.社内エンジニアを採用活動へ巻き込む

エンジニアのことを一番理解しているのは、同じエンジニアです。
そのため、社内エンジニアがいる場合は、必ず採用活動に巻き込む努力をすべきです。候補者としても、その企業に「自身のロールモデルとなる存在がいるか?」や「どのようなエンジニアが働いているか?」については、興味・関心が強いので社内エンジニアと話をしてもらうことで志望度を高めることが可能です。

4.開発環境や必須スキルを具体的に提示する

エンジニアは、「働きやすい開発環境があるか?」や「どのようなスキルを得られるか?」を非常に重視する傾向があります。そのため、開発環境や必須スキルを具体的にジョブディスクリプションに明示することが、優秀なエンジニア採用をするための第一歩です。

5.連絡・応対を丁寧かつ迅速に行う

採用担当者の連絡・応対の仕方も、候補者にとっては企業の印象を大きく左右する要素になります。
例えば、選考結果のメールの文面もテンプレではなく一人ひとりに合わせた内容にすることで、候補者から好感を得られます。
些細な気遣いが大きな差を生むこともあるので、連絡・応対は丁寧かつ迅速に行いましょう。

6.自社に合った採用方法を選択する

前章で、従来の「求人メディア」や「人材紹介」に取って代わる新しい採用方法が注目を浴びていると述べました。
一番大切なことは全ての方法を試すのではなく、自社に合った採用方法をきちんと選ぶことです。
そのためには、自社の強みや候補者への訴求ポイントをきちんと把握しておく必要があります。

7.多様な就業形態を検討する

優秀なエンジニアを採用したいなら、フリーランスや副業など、正社員にこだわらない柔軟かつ多様な就業形態を検討するのもいいかもしれません。
優秀なエンジニアほど、働き方に関しては自由度を求めるので、杓子定規な考え方をしていると彼らに注目されることは難しくなります。

8.採用広報を活用する

SNSやオウンドメディアを活用した採用広報は、上手くいけば他社との差別化をしつつ自社の魅力をアピールできる効果的な方法となります。重要なことは、結果を早く求めすぎずに長期的な視点に立って、一つひとつのコンテンツを作り込むことです。また、ジョブディスクリプションには表れない社風・文化を伝えることも大切です。


9.外国人エンジニアを採用する

海外に目を向けるとエンジニアの数が桁違いに多く、優秀なエンジニアを採用することができます。
また、最新のトレンドに通じているエンジニアも数多くおり、国内新卒採用のブランディングに繋がっているケースもあります。
詳しくは、「外国人エンジニア採用~メリットから定着まで完全解説~」に外国人エンジニア採用に関するメリットや、定着に向けた方法や弊社活用事例まで記載ありますので、ご覧ください。

まとめ

本記事では、エンジニア採用が難しい7つの理由を外部要因と内部要因と分けて考えることで、今エンジニア人材市場で何が起きているのかを示しました。それを踏まえた上で企業がエンジニア採用を成功させる方法を98つ紹介しました。全ての方法を実践する必要はなく、自社の強みを活かせる方法を選んで、PDCAを回すことが重要になります。


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